山田ズーニー - あなたの話はなぜ「通じない」のか

あなたの話はなぜ「通じない」のか (ちくま文庫)

あなたの話はなぜ「通じない」のか (ちくま文庫)

以前日記に書いた山田ズーニー氏の「伝わる・揺さぶる!文章を書く」が非常に読みやすかったので、今回も同じ筆者による「あなたの話はなぜ「通じない」のか」を読んでみました。
この本ではタイトルのとおり話が通じない理由の1つとしてコミュニケーションの重要さを挙げています。

例えば自分が苦手とする人と尊敬している人では、両者が同じ言葉を発したとしても後者の話の方が素直に受け止められます。
このように話を通じさせやすくするためには、日ごろから人との関わり合いの中で自分というメッセージを伝えるメディアの信頼性を高めていく必要があります。
それが難しい時は相手にとって信頼のおける人物から話を勧めてもらうという方法も有効です。

誰にとってもそうですが、興味のない話では関心を示してもらうこともできません。相手の立場からすると何を求めているかを考えることが大切になります。
さらに自分が一番言いたいこと(意見)をはっきりさせて問題を明確にすることで問題意識の共有を図ります。しかし意見だけでは相手は理解できません。なぜそう言えるか(理由)を道筋立てて説明して、その上で相手に「なるほど!」と思ってもらえれば話は通じたといえるでしょう。

そして考えるということは「問い」であると本書では述べています。
例えば「北朝鮮拉致問題についてどう思うか?」という質問をされてもなかなか答えづらい大きな問題です。こういった場合は自分の中で具体的な「問い」を立てるため「4W1H」という文章作成のテクニックを使います。

いつ(When)〜この問題はいつ起こったのか?
どこで(Where)〜日本だけで起きたのか?
誰が(Who)〜関係しているのは誰か?
何を(What)〜世界の歴史の中でこれに似た問題はないか?
どうした(How)〜その時はどう対処したのか?

このように小さな「問い」として洗い出せれば難しいと感じた質問に対しても答えられます。その答えを組み合わせることが考える作業だと本書では表現しています。

信頼を落とすことに比べて高めることは大変だと思いますが、論理的なコミュニケーションを意識して自分というメディア力を高めていきたいと思います。