本多勝一 - 日本語の作文技術
- 作者: 本多勝一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/09/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 16人 クリック: 109回
- この商品を含むブログ (53件) を見る
その技術の一つが、「修飾する言葉とされる言葉との繋がりを明確にする」ことです。
これができてない場合や、言葉が離れすぎているとわかりにくい文章となってしまいます。
以下は本書の例題の1つです。
例:私は 小林が 中村が 鈴木が 死んだ現場に いたと 証言したのか と思った。
│ │ │ └────┘ │ │ │
│ │ └─────────────┘ │ │
│ └─────────────────────┘ │
└─────────────────────────────┘
上記のように「私は……思った」の間に、修飾する言葉とされる言葉が入ってしまうと非常にわかりづらくなってしまいます。
そこで言葉の変更を加えずに、修飾・被修飾関係の言葉を直結してみると。
例:鈴木が 死んだ現場に 中村が いたと 小林が 証言したのかと 私は 思った。
└────┘ └──┘ └─────┘ └──┘
このように言葉の位置を替えるだけでもわかりやすい文章になりました。
また「修飾の順序」という技術も紹介されています。
これは一つの文章を修飾語でわけた時に、旬より節を先に、長い修飾語を先に、状況の大きなものを先に並び替えることで、わかりやすい文章が生まれるというものです。
それぞれに例題を挙げて複数の修飾語をさまざまなパターンで組み合わせた結果、上記の3つが不思議と当てはまるのに驚きを感じました。
学生時代に作文を書く機会はありましたが、その書き方について教えられたことはほとんどなかったと思います。しかし本書にある技術を身につければ、これまでより「読む側にとってわかりやすい文章を書くこと」ができると思いました。